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『モダニズムの南部的瞬間』――アメリカ南部詩人と冷戦

南部知識人にスポットを当てた、反攻のアメリカ文学史

越智博美

ISBN 978-4-327-48160-5 C3098
定価4,320円(本体4,000円+税)
四六判 上製 360頁
刊行年 2012年3月
NDCコード 934

 敗者の末裔であるアメリカ南部農本主義の知識人たちが、いかにして二十世紀の知の覇権を握るに至ったか。それが戦後日本の知的体制をいかに呪縛したのか。『赤毛のアン』を読んで英文学を志した「戦後の娘」である著者が、モダニズム・冷戦・リベラリズムをキーワードにその深層/真相に鋭く迫る、スリリングな論考。


<著者紹介>
越智博美 (おち ひろみ)  一橋大学教授。1962年生まれ。お茶の水女子大学博士課程修士課程修了、博士課程単位取得退学。専門はアメリカ南部文学、ジェンダー研究。
著書に『カポーティ――人と文学』(勉誠出版 2005)、共著に『現代批評理論のすべて』(新書館 2006)、『少女小説ワンダーランド』(明治書院、2008)、『ジェンダーから世界を見るII』(明石出版 2008)など。共訳書にレイモンド・ウィリアムズ『完訳 キーワード辞典』(平凡社 2002)など。


はじめに 

序 章 アグレリアンの立場

 I 創られた伝統としての「現在の中の過去」
 II 『アメリカ文学の再解釈』――アメリカにおけるアメリカ文学研究の制度化
 III ニュー・ヒューマニズム論争
 IV 南部における衝突地図
 V ナッシュヴィル・アグレリアンの立場
 

第一章 詩的南部連――新批評と「南部文学」の誕生

 I 制度としての南部文学
    問い直される「南部文学」/問い直しの死角/南部文学研究の自己再生産サイクル/南部文学の境界線

 II フュージティヴ詩人と農本主義者の連続性
   テイト前、テイト後/フュージティヴ詩人と農本主義の連続性

 III 南部文学のモダニズム宣言
    「現在の中に過去を見る」こと――南部文学のモダニズム宣言/農本主義者の文化闘争/新批評の陣取り/新批評会社/ボリンゲン賞論争

 IV 「南部」の新批評、新批評の南部
    読み取り能力の要請/御用達詩人と「アメリカの」新批評/新批評の南部文学――詩的南部連合


第二章 新批評の父たち――南部農本主義者の男らしい共同

 I 女性化する南部――合衆国最大の問題、それは南部
    猿裁判で笑われるのは誰か/行き暮れる南部のイメージ/南部の男性性

 II 正しい伝統の創造
    父の群れと南部の再男性化/英国を父として/父としての孤児
 

第三章 アメリカの白いヨーロッパ
     ――農本主義者のファシスト疑惑とリベラル・ナラティヴ

 I アメリカの白いヨーロッパ
   農本主義の白い想像力/「地方主義」対「文化」/農本主義者のファシスト疑惑

 II 農本主義者のリベラル・ナラティヴ
   リベラル・ナラティヴ/農本主義者のリベラル・ナラティヴ/一九五二年、パリ――「普遍的な人間」を語ること
 

第四章 戦後少女の本棚
    CIE図書館/翻訳プロジェクトと少女向けの小説/封じこめ文化と西洋/アメリカの移植


第五章 言説としての南部――男らしさの領有

 I 南部の男-共和国としての男の身体
   西への旅:マスキュリニティ回復の旅/「試練と努力」の身体/先祖返り、野生返りの騎士道精神/
歴史ロマンスとしての『ヴァージニアン』/南部の再男性化/帝国を広げる南部人

 II 「国民」の創生-白い男たちの帝国
    南部白人男性の再男性化/黒人とはだれか?/白い男たちの絆


おわりに

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