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書籍紹介

講義 アメリカ文学史 ――補遺版
Lectures on American Literature for Japanese Scholars and Students [Supplement]

『講義 アメリカ文学史』はまだ終わらない。 全3巻を増強する待望の「補遺版」誕生! 最大・最良・最新のアメリカ文学史、ついに完成!
著者 渡辺利雄〔著〕
刊行日 2009年12月18日
ISBN 978-4-327-47220-7
Cコード 3098
NDCコード 902
体裁 A5判 上製 620頁
定価 定価8,800円(本体8,000円+税10%)

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内容紹介
著者が東京大学で行なった20年近くの講義に基づいて書き下ろした『講義 アメリカ文学史[全3巻]――東京大学文学部英文科講義録』は、2007年12月に、3巻同時刊行された。88章、1500ページにおよび、約500もの引用を収録したこの壮大な文学史では、アメリカ文学者70名のほか、文学思潮、文学理論、文学運動も網羅的に扱った。この文学史をさらに強化するものとして、全3巻に収録できなかった新しい作家や重要な作家、そしてアメリカ文学の新たな潮流を詳しく扱う。
単独の執筆者による、わが国最大・最良・最新のアメリカ文学史、ついに完成なる!
 
[推薦のことば]
 
 どこにでもある教科書のつもりで、作家についての基本的な情報を得ようとして、あれこれの項目をつまみ食いしはじめた読者は、そのうちにこれがとんでもない本だということに気づくだろう。そしてきっと、全巻を入手して、最初から最後まで通読してみたいという衝動に駆られるだろう。本書の真価は、そのときに初めて明らかになるはずだ。
 諸家の意見や論争にたえず誠実に耳を傾けながらも、自分で鍛えあげた文学的感性を最後のよりどころにする渡辺利雄氏は、アメリカ文学という巨鯨にたった一人で立ち向かおうとするエイハブ船長を髣髴とさせる。その並外れた情熱、異常な愛情に、読者は畏怖の念と感動をおぼえるに違いない。
若島正(京都大学教授)
 
文学史を書くのは壮大な仕事、誰もが気負う。でっかい議論をふっかけようとする。これでもかと引用を散りばめ、学説を網羅し、ぜんぶ言おうとする。それを、そうか、こんな風に語ってもいいのだ。『東京大学文学部英文科講義録』などというと厳めしいが、渡辺氏は決して威張ったりしない。論じたりしない。近い所から「私事で恐縮ですが」なんて親しく語りかけてくる。あれやこれやの情報を「さあ、ほら」とカルタのように楽しそうに並べ、「こんなところが、ね」と細部をのぞきこみ、そのうちに、「エリオットはねえ、こういう詩人なんですよ」と等身大の像を浮かびあがらせる。知らないはずの人を、いつの間にか知った気にさせている。分厚く濃密でホットなのに、風通しが良くてやわらかい。ちょっと珍しい文学史である。
阿部公彦(東京大学准教授)
 
<著者紹介>
渡辺利雄(わたなべ としお) 
1935年、台湾新竹市生まれ。1954年、新潟県両津高校卒。1958年、東京大学文学部英文科卒。1961年、同大学同大学院修士課程修了。1962年から64年まで、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。東京大学文学部教授、日本女子大学文学部教授・文学部長などを歴任。現在、東京大学名誉教授。専門はアメリカ文学(特に、マーク・トウェイン、ヘンリー・ジェイムズなどのリアリズム文学)。
著書に『フランクリンとアメリカ文学』『英語を学ぶ大学生と教える教師に――これでいいのか? 英語教育と文学研究』(いずれも研究社)、編著に『20世紀英語文学辞典』『読み直すアメリカ文学』(研究社)など、訳書に『フランクリン自伝』(中公クラシックス)、マーク・トウェイン『自伝』(研究社)、『ハックルベリー・フィンの冒険』(集英社)、『不思議な少年』(講談社)、ジョン・ドス・パソス『USA』(岩波文庫、共訳)、ノーマン・マクリーン『マクリーンの川』(集英社文庫)、『マクリーンの森』(集英社)などがある。
2007年12月、自身の研究の集大成といえる『講義 アメリカ文学史[全3巻]――東京大学文学部英文科講義録』を刊行した。
目次
第89章 ジョン・ウルマン
第90章 アンブローズ・ビアス
第91章 サラ・オーン・ジュエット
第92章 F. マリオン・クロフォード
第93章 シャーロット・パーキンズ・ギルマン
第94章 エレン・グラスゴー
第95章 アプトン・シンクレア
第96章 T・S・ エリオット
第97章 ヘンリー・ミラー
第98章 パール・S・バック
第99章 ダシール・ハメット
第100章 ドーン・パウエル
第101章 ノーマン・マクレイン
第102章 ナサニエル・ウエスト
第103章 アイザック・バシェヴィス・シンガー
第104章 ロバート・ローウェル
第105章 ジョン・ホークス
第106章 アレン・ギンズバーグ
第107章 エドワード・オールビーとデイヴィッド・マメット
第108章 リチャード・ブローティガン
第109章 スティーヴン・ミルハウザー
第110章 アリス・ウォーカー
第111章 『ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー』の100年
対談:渡辺利雄・後藤和彦――作者、著者、読者が一体となって作り出す新しいアメリカ文学史

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