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書籍紹介

講義 アメリカ文学史 ――東京大学文学部英文科講義録 第II巻 [全3巻]
Lectures on American Literature for Japanese Scholars and Students――Book II

著者 渡辺利雄〔著〕
刊行日 2007年12月21日
ISBN 978-4-327-47214-6
Cコード 3098
NDCコード 902
体裁 A5判 上製 520頁
定価 定価7,480円(本体6,800円+税10%)

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内容紹介
1 単なる事実(作者の伝記、作品のタイトル、発表年)を羅列した概論ではなく、主要作品を絞って深く論じており、どの章も非常に読み応えのある論文になっている。
2 文学作品からまとまった引用をしつつ、それぞれの作品の抽象論ではなく具体的なテーマ、技法を明らかにした。
3 著者が東大で行なった20余年の講義に基づいて書き下ろした、わが国最大のアメリカ文学史講義。
4 複数の執筆者による共同作業の文学史ではなく、一人の視点からアメリカ文学全体をとらえた。
5 古典から現代まで、主要作家を重点的に扱っている。索引も充実。
6 分量は多いが、明確な論旨と平易な文体で、しかも文学史的に興味あるエピソードやゴシップを紹介しつつ、読める文学史を目指した。
7 日本への移入、日本での評価も紹介し、海外の文学史とは一味違った文学史を目指している。(夏目漱石のWhitman論、 日夏耿之介のPoe論、谷崎潤一郎のDreiser論などを含む)
8 引用が多く、詩文選としても読める。引用の多くは主要作品のさわりの部分、海外の研究の定評のある論文の一部である。
9 現在、日本であまり読まれなくなった、知られていない作家についても、十分にスペースを割いた。
10 全体は89章(1500ページ)。アメリカ文学者70名のほか、文学思潮、文学理論、文学運動も補遺的に扱った。
 
[推薦のことば]
 
作品精読にかけては右に出る者のない渡辺利雄氏が、長年の学問的蓄積をもとにしつつ、最新の文学史観をも縦横に駆使し、重厚なるアメリカ文学史全3巻を完成した。今後、わたしたちが長く座右に置いて参照すべき、アメリカ文学史の決定版が生まれたことを、心から喜びたい。
巽 孝之(慶應義塾大学教授)
 
渡辺利雄ゼミのテクストには地雷が仕込まれていた。薄っぺらな辞書では定義の出てこない、あるいは文脈を正しく把握しなければ意味を同定できない、あるいは意識して調べておかなければ発音できない英単語のことである。ゼミ担当学生は地雷を踏まぬように細心の準備をし、みなの前で地雷原をわたってみせなければならない。私は渡辺ゼミでももっとも優秀な学生のひとりで、先生の仕込まれたあらゆる地雷をほぼ的確に踏み抜いてきた。お授業の緊張は、僭越ながら申せば、先生が学生に寄せられていた二重の期待が先生ご自身のうちにかもし出した空気のなせる業ではなかったか。今度の大著は事情がまるで違う。無事にわたりきってほしいいたいけな学生も、見せしめに数度爆死してほしい学生もおらぬ。先生は存分にお書きになった。地雷があった、緊張の立ち込めていたはずの場所に、今や、のびのびと歩いてゆけるどこまでも見晴らしのよい草原が広がっている。そこは最初から深い慈愛の園だったことに、今更ながら気がつく幾百度戦死した私がいる。
後藤和彦(立教大学教授)
 
<著者紹介>
渡辺利雄(わたなべ としお) 
1935年、台湾新竹市生まれ。1954年、新潟県両津高校卒。1958年、東京大学文学部英文科卒。1961年、同大学同大学院修士課程修了。1962年から64年まで、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。東京大学文学部教授、日本女子大学文学部教授・文学部長などを歴任。現在、東京大学名誉教授。専門はアメリカ文学(特に、マーク・トウェイン、ヘンリー・ジェイムズなどのリアリズム文学)。
著書に『フランクリンとアメリカ文学』『英語を学ぶ大学生と教える教師に―これでいいのか?英語教育と文学研究』(いずれも研究社)、編著に『20世紀英語文学辞典』『読み直すアメリカ文学』(研究社)など、訳書に『フランクリン自伝』(中公クラシックス)、マーク・トウェイン『自伝』(研究社)、『ハックルベリー・フィンの冒険』(集英社)、『不思議な少年』(講談社)、ジョン・ドス・パソス『USA』(岩波文庫、共訳)、ノーマン・マクリーン『マクリーンの川』(集英社文庫)、『マクリーンの森』(集英社)などがある。
目次
第30章 アメリカ・リアリズム文学の成立
第31章 アメリカ・リアリズム文学をめぐる対立
第32章 ウィリアム・ディーン・ハウエルズ
第33章 マーク・トウェイン
第34章 ヘンリー・ジェイムズ
第35章 ヘンリー・アダムズ
第36章 ホレイショー・アルジャー
第37章 フランク・ノリスとスティーヴン・クレイン
第38章 シオドア・ドライサー
第39章 シャーウッド・アンダーソン
第40章 シンクレア・ルイス
第41章 ケイト・ショパン
第42章 イーディス・ウォートン
第43章 ウィラ・キャザー
第44章 ジャック・ロンドン
第45章 アーネスト・ヘミングウェイ
第46章 F・スコット・フィッツジェラルド
第47章 ウィリアム・フォークナー
第48章 ジョン・ドス・パソス
第49章 ジョン・スタインベック
第50章 トマス・ウルフ 
第51章 リチャード・ライト
第52章 ロバート・フロスト
第53章 ウォレス・スティーヴンズ
第54章 エズラ・パウンド
第55章 ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ
第56章 ユージーン・オニール
第57章 テネシー・ウィリアムズ
第58章 アーサー・ミラー

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