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書籍紹介

高校英語授業を知的にしたい ――内容理解・表面的会話中心の授業を超えて

ふだんの授業を、意見交換の場にしよう!
著者 三浦 孝、亘理陽一、山本孝次、柳田 綾〔編著〕
刊行日 2016年6月20日
ISBN 978-4-327-41094-0
Cコード 3082
NDCコード 807
体裁 A5判 並製 332頁
定価 定価3,080円(本体2,800円+税10%)

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内容紹介
 これから求められる世界に通用する英語力とは、読んだ英文をうのみにすることなく、それをもとにした議論に参加する力ではないか。本書は、ディベートやディスカッションといった形式のみに限定することなく、もっと広範囲にふだんの英語授業の中で、読んだ内容について質問や意見、感想を交わし合う、知的で論理的な英語力養成の指導法と教材を紹介する。高校だけでなく、大学・社会人クラスのグレードアップにも必携の書。
 
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<著者紹介>
三浦 孝 (みうら たかし)
静岡大学名誉教授。著書:『だから英語は教育なんだ』(共著)、『ヒューマンな英語授業がしたい!』(共著)、『英語授業への人間形成的アプローチ』(いずれも研究社)など。
 
亘理陽一 (わたり よういち) 静岡大学教育学部准教授。著書:『学習英文法を見直したい』(共著、研究社)、『協同学習を取り入れた英語授業のすすめ』(共著、大修館書店)、『英語教師はたのしい 』(共著、ひつじ書房)など。
 
山本孝次 (やまもと こうじ)
愛知県立刈谷北高等学校教諭。
 
柳田 綾 (やなぎだ あや)
愛知県立阿久比高等学校教諭。『フォーカス・オン・フォームでできる!新しい英文法指導アイデアワーク(高校)』、『ワーク&評価表ですぐに使える!英語授業を変えるパフォーマンス・テスト(高校)』(いずれも明治図書)の執筆者の一人。
目次
第I部 総論:知性を育てる英語授業の原則
 
第1章 英文の内容理解だけに終始する英語授業をどう脱却するか
    ――知性を育てる英語授業の8つの原則 (三浦 孝)
1.はじめに
2.英文の内容を理解するだけの英語授業でよいのか
3.内容理解の先に、批判的検討や意見交換がある授業を
4.学習指導要領も強調する、英語で議論できる教育の必要
5.本書の独自性
6.知的・論理的英語力を育てる8つの指導原則
 
第II部 知性を育てる英語授業の実践編
 
第2章 グラフィック・オーガナイザーを用いた内容理解活動の実践 (三浦 孝)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
2.授業の設計
 2.1 授業実践の枠組み
 2.2 授業のシラバス
 2.3 使用テキスト
  2.3.1 自主編成テキストを使う理由
  2.3.2 テキストの構成
 3. 毎回の授業の内容の推移
  3.1 開始期の授業内容
  3.2 中盤期の授業内容
  3.3 終盤期の授業内容
4.成績評価方法
5.実践の結果
 
第3章 テキストを深く読むクリティカル・リーディングの授業 (伊佐地恒久)
1.実践にあたっての問題意識
2.授業実践
 2.1 授業の枠組み
 2.2 教材
 2.3 授業の概要
 2.4 本時テキストについて
 2.5 学生作品
  2.5.1 学生によるクリティカル・リーディング・クエスチョンの例
  2.5.2 学生による意見文の例
3.指導効果の検証
 3.1 調査材料
 3.2 批判的思考力への効果
 3.3 批判的思考態度への効果
 3.4 授業アンケート結果から
4.結論
 
第4章 英語が苦手な学生が2分間スピーチを楽しむようになるまで
  ――自作カルタで伝え合う力と関係性を育てる (永倉由里)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
2.授業実践の目標
3.授業の設計
4.授業実践例
 4.1 「関係」を育てるIcebreaking――Magical Quiz (≒Who am I?)
 4.2 「柔らかい構え」をもたらすリズム音読
 4.3 「滑舌」向上! 口の周りの筋肉トレーニング――Shadowing Quiz
 4.4 英語表現リストでLook up & Say
 4.5 「記憶」を助けるカルタ活動
 4.6 Magical Quiz
 4.7 スキーマ(背景知識)を活性化させるカルタ活動
 4.8 カルタを使って口の周りの筋肉トレーニング
 4.9 「即時的な判断」を求めるカルタ活動 〜即答バトル〜
 4.10 スポーツの「意義」を考えるBrainstorming活動
 4.11 モノローグに挑戦!――1-Minute Monologue
 4.12 フリートークに挑戦!――2-Minute Dialogue
 4.13 定番タスク2種――BingoとFind who...
 4.14 機会を与え、楽しさを共有したいミニ・スピーチ
 4.15 振り返りシート「Learning Journal」で自律学習者への成長を促す
5.対象学生の授業観と動機づけの変容
 
第5章 生徒が身を乗り出してくるタスクで旧来型教科書の限界を超える
    ――心を動かす授業をめざして (柳田 綾)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
 1.1 自己紹介
 1.2 実践にあたって持つ問題意識
2.これまでの実践の課題と授業の目標
 2.1 実践にあたっての問題点
 2.2 授業で追求した目標
3.授業の設計
 3.1 対象クラスの概要
 3.2 実践期間
 3.3 使用教材
 3.4 年間指導計画表(シラバス)
 3.5 本実践の指導計画
  3.5.1 本課の目的
  3.5.2 本課の指導計画表
4.実践の足跡
 4.1 遭遇した困難点・解決方法
 4.2 達成できた点
 4.3 本実践を通して発見できたこと
  4.3.1 年間指導計画(シラバス)の重要性
  4.3.2 文法をcontextで使用することの重要性
  4.3.3 peer-editingの効果
  4.3.4 learning communityの構築
 4.4 今後改善すべき点
5.まとめ:「生き方が見えてくる英語授業」に私が提案できること
 5.1 頂上タスクの設定(原則3)
 5.2 生徒が感想・意見・疑問・対案等を出す授業(原則4, 5)
 5.3 学びの共同体、社会性の育成、自律的学習の推進(指導原則6)
 5.4 試行錯誤を楽しむ
 5.5 approach(教育哲学)を再確認する
 
第6章 思考力育成へ向けた授業実践
    ――エマ・ワトソンのHeForSheスピーチを題材として (山本孝次)
1.実践にあたっての問題意識
2.授業で追求した目標
3.授業の設計
 3.1 対象クラスの概要
 3.2 実践期間
 3.3 使用教材
 3.4 指導計画表
4.実践の足跡(授業記録)
5.実践のまとめ
 5.1 この実践で目指した目標は、どの程度達成できたか
 5.2 この教材および授業の良い点は何だと考えるか
 5.3 今後の課題は何か
 
第7章 スティーブ・ジョブズと頂上タスクで批判的思考力を伸ばす
                             (峯島道夫・今井理恵)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
2.授業で追求した目標――批判的思考力育成のための「CTスキル目標」
3.授業の設計
 3.1 使用教材
 3.2 指導の方策
4.実践の足跡
 4.1 高校での実践
  4.1.1 実施時期と授業進度計画
  4.1.2 練習課題
  4.1.3 小タスク(1)
  4.1.4 小タスク(2)
  4.1.5 頂上タスク
 4.2 大学での実践
  4.2.1 実施時期および対象クラスの概要
  4.2.2 授業進度計画(シラバス)
  4.2.3 ユニットの構成
  4.2.4 第1話「練習課題」
  4.2.5 第1話「小タスク」
  4.2.6 第2話「練習課題」
  4.2.7 第2話「小タスク」
  4.2.8 第3話「練習課題」
  4.2.9 頂上タスク
 4.3 質問紙調査から見えたもの
5.まとめ
6.今後の課題
 6.1 高校での実践の課題
 6.2 大学での実践の課題
7.おわりに
 
第8章 小グループが英語で打ち合わせ、英語でプレゼンテーションできる指導
    ――ネイティブ・スピーカーのグループ活動から学ぶ (加藤和美)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
2.教材作成
3.授業の構成
 3.1 授業で追求した目標
 3.2 小タスクから頂上タスクへと至る知的交換活動
4.実践の足跡
 4.1 授業実践1――基本編
 4.2 授業実践2――応用編
5.最後に
 
第III部 試作教材『Trinity English Series Book 1』を使った授業実践
 
第9章 『Trinity English Series Book 1』を使った高専での実践 (種村綾子)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
2.授業で追求した目標
3.授業の設計
 3.1 対象クラスの概要
 3.2 実践期間
 3.3 使用教材
 3.4 指導計画表
4.実践の足跡(授業記録)
5.試用実践のまとめ
 5.1 この試用で目指した目標は、どの程度達成できたか
 5.2 この教材の良い点は何だと考えるか
 5.3 今後の課題は何か
 
第10章 英語を通してより豊かに生きることにつながる授業 (鈴木章能)
1.筆者の自己紹介と実践にあたっての問題意識
 1.1 自己紹介
 1.2 日本の英語教育におけるモチベーションの問題
 1.3 日本の英語教育におけるモチベーションの問題をどう解決するか
2.授業で追求した目標
3.授業の設計
 3.1 対象クラスの概要と授業実践の概要
4.実践の足跡
5.学生の「生きる喜びを見出せる英語学習」とは
6.まとめ:「生き方が見えてくる英語授業」に私が提案できること
 
第IV部 大学入試とこれからの英語授業
 
第11章 これからの大学入試が求める英語力
    ――問題発見・判断・意思決定・解決の力 (亘理陽一)
1.はじめに
2.大学入試における英語試験の政策動向
 2.1 経緯と変容
 2.2 これから求められる力
3.高校側の受け止め方
 
第12章 現代の大学入試問題はどのような英語力を試そうとしているか
    ――全国33校91種類の入試分析から言えること (関 静乃・亘理陽一)
1.研究の動機
2.研究の方法
 2.1 分析対象校
 2.2 分析項目
 2.3 A型問題の定義と典型例
 2.4 B型問題の定義と典型例
 2.5 O型問題の研究方法と典型例
3.分析結果と考察
 3.1 問題文の語数増加の傾向
 3.2 A型問題・B型問
 3.3 B型問題の特徴
 3.4 B型問題の広がりと語数との相関
 3.5 O型問題の特徴
4.まとめと展望
 

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