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書籍紹介

社会言語学入門 <改訂版> ――生きた言葉のおもしろさに迫る

著者 東照二〔著〕
刊行日 2009年11月20日
ISBN 978-4-327-40157-3
Cコード 3080
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 232頁
定価 定価2,530円(本体2,300円+税10%)

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内容紹介
生きた言葉にスポットライトを当てる社会言語学の世界を英語を中心に平易に解説し、ご好評をいただいている入門書の改訂版。男女の会話スタイル、セールス現場の言葉、裁判でのやりとり等々の分析を通して、言葉のおもしろさが見えてくる。言語学・英語学の入門テキストとしても最適。
改訂に当たっては、古い情報をできるだけ新しいものに代えたほか、コラムを大幅に追加した。
 
<著者紹介>
東 照二(あずま しょうじ)
1956年、石川県生まれ。早稲田大学第一文学部英文科卒業。ユタ大学大学院にて言語学修士、テキサス大学オースチン校大学院にて言語学博士号(Ph.D. in Linguistics)を受ける。現在、ユタ大学(University of Utah)言語文学部教授。専門は社会言語学。著書に『歴代首相の言語力を診断する』(研究社、2006年)、『言語学者が政治家を丸裸にする』(文藝春秋、2007年)、『人を惹きつける「ことば戦略」』(研究社、2009年)、『オバマの言語感覚』(NHK出版、2009年)などがある。
目次
第1章 社会言語学とはなにか
1 言語学と社会言語学
  社会言語学は言語学になりうるか/チョムスキー革命/社会と言語
2 どうして今、社会言語学か
  日本の社会言語学/社会言語学の「はやり」
3 2つの社会言語学
  静的アプローチ/動的アプローチ
 
第2章 言語の選択
1 多言語社会
2 ダイグロッシア
  アラビア語のケース/ポリグロッシア
3 ドメイン
  ドメインの種類/ドメインの限界
4 二言語併用者とコードスイッチング
  外来語とコードスイッチング/日英語のコードスイッチング
  [コラム]「フェミニスト」ってどんな人
5 どうしてスイッチングするのか
  コードスイッチングしないといけない場合/話の内容が変わる/
  デュアル・アイデンティティ/利害関係の交渉/どちらの言語にすべきか
  [コラム]「This is サイコーニチョードイイ HONDA!」
6 どのような言語規則があるのか
  Equivalence Constraint/Equivalence Constraint の矛盾/Free Morpheme Constraint
  Free Morpheme Constraint の矛盾/文産出からのアプローチ:フレーム/コンテント仮説/統語論からのアプローチ
7 言語の死
  オーストリアでのハンガリー語/アメリカ・インディアン語/スコットランドでのゲール語
8 言語の誕生:ピジンからクレオールへ
  ハワイのピジン/バイオプログラム
  [コラム]お流れ頂戴します
 
第3章 言語のバリエーション
1 ウィリアム・ラボフの古典的研究
  マーサズビンヤード島/ニューヨーク市内のデパート
2 地域方言とはなにか
  アメリカ英語のケース/アメリカ(イギリス)英語だけが英語か
  [コラム]ソフトドリンクそれともコーク?
3 社会方言とはなにか
  発音と社会方言/三単現の s /マッチトガイズ・テクニック:標準英語とスペイン語なまりの英語
  [コラム]逆収入の法則
4 The coffee bees cold: 黒人英語
  that が dat になる/be 動詞の規則/多重否定とは?
  [コラム]小説にみる黒人英語
5 ジェンダーと言語
  男言葉、女言葉/男女の会話のスタイル/どうして女性はていねいに話すのか
  [コラム]シンデレラ実験/妻と話す時とほかの女性に話す時は違う?
6 年齢と言語
  若者は社会的に低いバリエーションを好む/ジョックスとバーンアウト/スラングと若者
  [コラム]「〜というか」っていうか?/「かんがえる」の「が」の発音は?
 
第4章 言語とコンテキスト:社会言語学の理論
1 オーディエンス・デザイン
  同じアナウンサーなのに?/プレイボーイ誌のインタビュー/聞き手よりも傍聴人?
  [コラム]「国民に聞いてみたいと思います!」
2 スピーチ・アコモデーション
  旅行代理店での会話/スピーチ・アコモデーションの類型/楽しみにしていました運動会/赤毛のアン
  セールス現場でのスピーチ・アコモデーション/ダイバージェンス:相手から離れていく/アコモデーションの失敗
  [コラム]日本人に断わる時とアメリカ人に断わる時
3 ポライトネス・ストラテジー
  2つの顔/非人称化のストラテジー/どの程度にていねいであるべきか/アドバイスをすることは失礼か/
  「マイク、ふとったねえ!」/アメリカ人にとっての「ていねい」とは?
  [コラム]日本語はネガティブ・ポライトネスの言語か/「今、だれもいません」
4 力と仲間意識
  tu と vous /力と仲間意識の関係
  [コラム]スモールトークと患者/「よくもひとをぶったな」の「ひと」は?/仲間意識と Yes we can
 
第5章 社会言語学とその周辺
1 法律と言葉
  社会階級と被告人/ノンネイティブの被告人/売春婦に話しかける言葉/よくわからないお役所文書
  [コラム]「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」
2 精神療法の英語
  文法を相手と同じにする/2人で1つの文を作り上げる/相手のいったことをくりかえす
  [コラム]医療現場の言葉
3 セクシスト・ランゲージ
  男性が主語で、女性は目的語?/男性がリードし、女性がしたがう?/男女のステレオタイプ/
  私作る人、僕食べる人/アメリカ言語学会のガイドライン/言語学の「伝統」
  [コラム]PC(Politically Correct)
4 異文化間コミュニケーション
  型にはまったスキー/コンテキストの型/「気がきく」は高コンテキスト?/世界の文化とコンテキストの型/
  行政指導/沈黙は美徳?!/アサバスカ族のコミュニケーション・スタイル/リダクション原理/
  エスキモー語には雪を表わす言葉が400もある?!
  [コラム]勧誘のストラテジー/アメリカの大学にみる「低コンテキスト」/仏教と言語決定論
5 言語政策:アメリカでの公用語運動
  国語と公用語/アメリカの公用語はなに?/プロポジション/英語オンリーか、英語プラスか
  [コラム]カタカナ言葉と小泉厚生大臣/オバマとバイリンガル教育/アメリカの大学生の外国語学習人口は?
 
あとがき
参考文献
索 引

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