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書籍紹介

異文化理解の語用論 ――理論と実践
Culturally Speaking: Managing Rapport through Talk across Cultures

「日本人は謝ってばかりいる」とよくいわれるが、本当だろうか。
著者 ヘレン・スペンサー=オーティー〔編著〕 / 浅羽亮一〔監修〕 / 田中典子、津留崎 毅、鶴田庸子、熊野真理、福島佐江子〔訳〕
刊行日 2004年4月15日
ISBN 978-4-327-40137-5
Cコード 3082
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 200頁
定価 定価2,640円(本体2,400円+税10%)

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内容紹介
 対人関係を良好に保つためにひとはことばをどう使うのだろうか。また、文化によって違いがあるのだろうか。たとえば、日本人の謝罪の仕方や不賛成の意見の表わし方は、欧米人とどのように違うのだろうか。こうした異文化間におけることばの使い方の問題を理論と具体的な調査研究の両面から取り上げる。
 また、言語学や異文化間コミュニケーションを学ぶ大学生、大学院生の参考になるように、調査研究(フィールドワーク)のためのデータ収集の手法も紹介する。
 
<著者紹介>
ヘレン・スペンサー=オーティー
英国ルートン大学主席研究員(言語学)。
 
浅羽亮一(あさば りょういち)
明海大学教授。訳書に、ジェニー・トマス著『語用論入門』(研究社)、『ロングマン・アレクサンダー英文法』など。
目次
第1章 はじめに:言語と文化とラポールマネジメント(ヘレン・スペンサー=オーティー)
 
第2章 ラポールマネジメント:分析のための枠組み(ヘレン・スペンサー=オーティー)
2.1 はじめに
2.2 「フェイス」の普遍的必要性
2.3 ラポールを脅かす行動:フェイスおよび社会的権利のマネジメント
2.4 ラポールを維持・管理するためのストラテジー
 2.4.1 発語内行為の領域:発話行為ストラテジー
 2.4.2 他のラポールマネジメント領域
 2.4.3 上位ストラテジーとコミュニケーションスタイルの変域
2.5 ストラテジーの使用に影響を与える要因:(1)ラポールへの方向性
2.6 ストラテジーの使用に影響を与える要因:(2)状況的変数
 2.6.1 参与者と参与者間の関係
  2.6.1.1 支配力
  2.6.1.2 距離
  2.6.1.3 支配力と距離の相互関係
  2.6.1.4 参与者の数
 2.6.2 メッセージ内容:コストと利益
 2.6.3 社会的/相互作用的役割
 2.6.4 コミュニケーション活動
 2.6.5 状況の全体的判断
2.7 ストラテジーの使用に影響を与える要因:(3)語用論的慣習
 2.7.1 社会語用論的慣習
 2.7.2 語用言語学的慣習
2.8 ラポールマネジメントの結果
2.9 ラポールマネジメントと文化
 
第3章 「私のせいじゃありません!」:日本語・英語では、いわれのない非難にどう応答するか
 (田中典子、ヘレン・スペンサー=オーティー、エレン・クレイ)
3.1 はじめに
3.2 異文化から見た謝罪
  3.2.1 日本語の謝罪と英語の謝罪:そのステレオタイプ
  3.2.2 日本語と英語の謝罪に関する言語学的研究
3.3 調査方法
 3.3.1 アンケートの構成
 3.3.2 回答者
3.4 結果
 3.4.1 その状況をどう見るか
 3.4.2 その状況でなんと言うか
3.5 考察
 3.5.1 「すみません」と“I'm sorry”
 3.5.2 状況の影響
 3.5.3 標本としての回答者
 3.5.4 調査方法
3.6 結論として
 
第4章 異文化間コミュニケーションにおける語用論的転移 (ヴラディミール・ジェガラッツ、マーサ・C・ペニントン)
4.1 はじめに
4.2 語用論的転移とは何か
4.3 語用論的転移をどのように識別するか
4.4 語用論的転移をどのように実証的に研究するか
 4.4.1 語用論的転移の量的研究:Yoon(1991)
 4.4.2 語用論的転移の質的研究:Tyler(1995)
4.5 語用論的転移を説明する
 4.5.1 語用論分析への3つの問い
 4.5.2 語用論的能力と語用論的転移
  4.5.2.1 コミュニケーションの効率性:関連性
  4.5.2.2 話し手の好み、文脈の選択、社会・文化的な慣習
4.6 語用論的転移には複数のタイプがあるのか
4.7 語用論的転移は第2言語習得とどう関係するか
 4.7.1 語用論的転移と第2言語習得
 4.7.2 「語用論的転移」は有用な用語か
 
第5章 日本人とアメリカ人は職場で相手への否定的評価をどう伝えるか (ローラ・ミラー)
5.1 はじめに
5.2 否定的評価
5.3 異文化間の会話の調査
5.4 多文化環境の職場における否定的評価
5.5 結論
 
第6章 語用論研究におけるデータ収集 (ガブリエル・キャスパー)
6.1. 口頭によるインタラクション
 6.1.1 自然談話
 6.1.2 誘出会話
 6.1.3 ロールプレイ
6.2 アンケート
 6.2.1 言語産出アンケート
 6.2.2 多肢選択
 6.2.3 評価尺度
6.3 インタビュー
6.4 ダイアリー
6.5 発話思考法
6.6 結論

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