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書籍紹介

言語研究入門 ――生成文法を学ぶ人のために

こころと脳の仕組みを探る言語研究入門
著者 大津由紀雄、池内正幸、今西典子、水光雅則〔編〕
刊行日 2002年4月25日
ISBN 978-4-327-40130-6
Cコード 1080
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 328頁
定価 定価3,850円(本体3,500円+税10%)

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内容紹介
 人間の言語は脳に蓄えられた知識であると考える立場から、言語の性質や獲得、また、理解の仕組みなどをめぐるさまざまな問題をわかりやすく解説しました。前半で生成文法理論の基礎となる考え方が紹介され、後半では進んだ研究の一端にも触れることができます。各章末の練習問題と読書案内は、読者がさらに言語研究を深めるための手がかりです。本書は、言語研究を通して、人間のこころの仕組みを探る研究へといざないます。
目次
目次
はしがき
 
第1章 こころを探る言語研究:なぜ言語を研究するのか?
 1.こころを探る言語研究とは
 2.こころを探る有益な窓としての言語
 3.おわりに
 
第2章 言語知識とは何か
 1.無意識の知識
 2.言語能力と言語運用
 3.普遍文法と個別文法
 
第3章 文法の組み立て
 1.文とは
 2.文法の組み立て
 3.最近のアプローチ
 
第4章 言語の音:音声学・音韻論1
 1.音による言語使用
 2.意味に貢献する音
 3.言語音の区別
 4.ヒトの言語音とサル
 
第5章 言語の音:音声学・音韻論2
 1.音韻研究の出発点:「分節音」という単位
 2.音韻研究の主要な問題
 3.音節構造に関する普遍性と個別性
 
第6章 語を作る仕組み:形態論1
 1.形態論
 2.語形成における2つの主な仕組み
 3.複合語
 4.派生語
 5.右側主要部の規則
 
第7章 語を作る仕組み:形態論2
 1.はじめに
 2.屈折と派生の区別
 3.屈折の規則
 4.派生の規則
 
第8章 文を作る仕組み:統語論1
 1.句構造標識
 2.句構造規則
 3.構成素構造を調べるテスト
 4.句の構造の共通性
 
第9章 文を作る仕組み:統語論2
 1.普遍文法と言語の多様性
 2.普遍文法へのアプローチ1:個別文法で述べる規則に対する制約
 3.普遍文法へのアプローチ2:原理とパラメータの体系
 
第10章 意味を考える:意味論1
 1.統語構造と意味解釈規則
 2.意味解釈規則と真理条件
 3.概念構造と意味解釈
 
第11章 意味を考える:意味論2
 1.文の意味表示
 2.指示代名詞と推論照応
 
第12章 発話を考える:語用論
 1.共有知識・予備知識
 2.発話行為
 3.間接発話行為
 4.言外の意味とコミュニケーション
 5.語用論的知識とプラトンの問題
 
第13章 言語の獲得1
 1.言語獲得における問題
 2.原理とパラメータのアプローチと言語獲得
 
第14章 言語の獲得2
 1.学習可能性のパラドックス
 2.項構造の交替の理論
 3.項構造の獲得
 4.間違いの生起と消失
 
第15章 言語の運用
 1.言語運用の諸相
 2.言語処理機構の特性と言語事象に対する説明の可能性
 
第16章 言語の多様性
 1.ことばのゆれ
 2.文法と語選択のゆれ
 3.言語の変異とプラトンの問題
 
第17章 言語の変化
 1.ことばの通時的研究
 2.現代英語の語順
 3.17世紀以前の英語の語順
 4.文法の変化:パラメータ値の設定
 
第18章 言語研究の現状と今後の展望
 1.ミニマリスト・プログラム
 2.動的文法理論
 3.言語の脳科学
 
付録 言語研究の手立てと研究事例
1 コーパス言語学
 1)はじめに
 2)コンピュータと言語研究
 3)コーパスとは
 4)コーパスを用いた言語分析の実際
 5)コーパス言語学とは
 
2 事例研究:動詞句削除現象
 1)統語的分析とその問題点
 2)意味的分析とその問題点
 3)問題の解消
 
3 音の記号
 1)発声につかう器官
 2)アメリカ英語の母音の前後と高低の位置関係
 3)子音の調音の位置と様式
 
参考文献
索引

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