たとえば must に「ねばならない」と「違いない」の2つの意味があるのは元々の「義務」の意味からの拡張によるものだが、同じようなメタファー的なとらえ方によって、英語・印欧語の知覚動詞の意味変化の解明を始め、法助動詞の多義性や、and 、or 、if、などによる並列文・条件文の多様な解釈の可能性が分析できる。本書は、従来の意味特徴分析では説明できなかった語の意味変化や曖昧性をすっきりと記述する認知的アプローチによる意味の分析である。
<訳者による他の著作> 『英語法助動詞の意味論』(The Semantics of the Modal Auxiliaries) J.コーツ 著・澤田治美 訳、研究社出版、1992年11月