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書籍紹介

日本語のしくみがわかる本

えっ! 日本語の文法は間違いだらけだったの!?
著者 町田 健〔著〕
刊行日 2000年11月20日
ISBN 978-4-327-38442-5
Cコード 0080
NDCコード 815
体裁 A5判 並製 200頁
定価 定価1,760円(本体1,600円+税10%)

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内容紹介
 愛娘に「お父さんは言語学者なのに、こんなことも知らないの!」と言われたことがきっかけだった。父は娘の持つ教科書や参考書をむさぼり読み、その文法解説のひどさに愕然とする。
 教科書やベストセラー『日本語練習帳』などにおける日本語文法のあり方を様々な角度から検証、欠点となりわかりにくい部分を明らかにしていく。その上で、筆者独自の文法理論を展開、日本語文法のあり方に新たな可能性を提示する好著。
 
<著者紹介>
 1957年福岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。東京大学助手、愛知教育大学助教授、成城大学助教授、北海道大学助教授を経て、現在、名古屋大学教授。専門は言語学。文の意味と構造の関係、ソシュール学説、フランス語の歴史などを中心に研究、幅広いフィールドで活躍する新進気鋭の言語学者である。
 著書に『言語学が好きになる本』『生成文法がわかる本』(研究社出版)、『日本語の時制とアスペクト』(アルク)、『言語学』(共著、東京大学出版会)、『よくわかる言語学入門』(共著、バベルプレス)など多数。『言語学が好きになる本』で黒木瞳、『生成文法がわかる本』で「モーニング娘。」の安倍なつみのファンであると表明。ファンだと明記したタレントの名前がその都度違い、単なるミーハーじゃないかという心ないうわさもある。最近は、本書にも名が出てくる宇多田ヒカルが気になっているらしい(ちなみに、高校のとき初めてラブレターを出した相手が藤圭子似だったとか)。
目次
第1章 日本語の文法についてこれまでどんなことを教わってきたか
中学の「文法」
文法がよくわからない原因
「文節」はね、最初にさ、つまずくところなんだよ
こんな問題を解いて高校に入るのでしょうか?
「自立語」と「付属語」を区別するのです
自立語は付属語ではないもので、付属語は自立語ではないものです
主語と述語を見つけましょう
「が」と「は」が付いている名詞は主語だろうか?
それでも主語は大変です
「接続語」って「接続詞」と違うの?
「修飾語」ですか?
「修飾語」はずいぶんと幅が広いです
「活用」って覚えるだけなの?
名前も種類も不思議です
今が大事です
「まい」って助動詞なの?
出身が問題なのです
「分類」は難しいね
副助詞って一体……
分類の基準をはっきりさせてください
国文法を分かりやすく、面白くしよう
 
第2章 国文法はどのように考えられてきたか
「文節」の橋本信吉
文節はいつも続けて発音されるんです
文節は天から与えられたものです
自立語と付属語の区別は疑いようのないものです
「詞」と「辞」の区別
あのソシュールを批判した時枝誠記
「ラング」を対象とするコトバの研究は間違っているのだ
ラングってこんなものだったの?
均質的なコトバなんてのはないんだ
やっぱりラングはあるのだ
時枝の「言語過程説」
コトバは水道管です
言語過程説もソシュールも変わらない?
「詞」と「辞」の違いを言語過程説で説明しよう
話し手の判断は概念ではありません
話し手の判断はコトバを使えばどこにでもあります
日本語の文の構造は「入れ子」型です
入れ子型では単純すぎるようです
『日本語練習帳』の大野晋
「文節」だけではやっぱりまずいことは分かるんですが
「ハ」と「ガ」を「既知」と「未知」で説明するのは不十分
「ハ」の働きは四つに分類されます
「主題」が「問題」です
「問題」はいったん文を切るんです
切れていたらどうして意味が違うのですか?
「ハ」には対比をする働きもあります
「再問題化」って一体……
主題と対比ってずいぶん違うようにも見えますが
「ガ」の働きは二つで、一つは現象を表すのです
「ガ」は名詞と名詞をくっつけるのです
人称代名詞の体系は人間関係のあり方を反映したものです
コトバから思考を推測するのは難しい
語源を知ることは面白いのですが
語源を知っていても単語の意味が分かるとは限りません
語源で意味を全部説明するのは難しそう
日本語の単語の意味を外国語の語源で理解するの?
 
第3章 日本語文法の基礎
文をまず単語に分けます
単語より大きい単位を決めます
「文節」の代わりが「群」です
動詞群の構造は「動詞句+ムード」です
どうして動詞群はこんな構造になっているんだろう?
並び方がいい加減だと、聞き手が困ります
単語は「無矛盾の原則」に従って並べられるのです
動詞句の構造を説明しよう
従属節の中では主語の「ハ」が使えません
「ハ」は万能です
やっぱり主語が二つあってはいけないんでした
「ハ」の前が大切なんです
「ガ」は付け足しです
「この問題が難しい」はどうだ
どうして「ハ」が二つあると二番目は「対比」になるのでしょうか?
「百キロはある」がどうして「限度」を表すのだろう
「対比」って何だったんだろう?
「酒を飲んでは暴れる」男
「ハ」が「全部」を表すということに注意しましょう
「ハ」が付いて、たくさんの事柄を表すようになります
モダリティーを表すのがムードです
「はずだ」と「に違いない」は違うはずなのです
「に違いない」はまともな判断をしていないこともあるのです
「はずだ」には因果関係が含まれている
因果関係を認めることが大切です
 
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