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書籍紹介

「私」を生きるための言葉 ――日本語と個人主義

あなたは、日本語で、自分らしく語れますか
著者 泉谷閑示〔著〕
刊行日 2009年3月26日
ISBN 978-4-327-37815-8
Cコード 0011
NDCコード 810
体裁 四六判 並製 192頁
定価 定価1,540円(本体1,400円+税10%)

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内容紹介
すべての人間は、透明な言葉を生むようにできている―。
気鋭の精神科医が豊富な臨床経験をもとに、日本語に潜む神経症性を徹底分析。多くの"1人称で生きる"人々の例に学びながら、借り物ではない言葉とは何なのか、探求していきます。心の問題に関心のあるすべての人、日本語に使いづらさを感じている人、クリエイティブな仕事をしていきたい人のためにヒントとなる考え方を提供します。
 
<著者紹介>
泉谷閑示(イズミヤカンジ)
1962年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。精神科医。東京医科歯科大学医学部附属病院医員、財団法人神経研究所附属晴和病院医員、新宿サザンスクエアクリニック院長等を経て、現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック院長。日本芸術療法学会会員。1999年フランスに渡り、パリ・エコールノルマル音楽院に留学。パリ日本人学校教育相談員をつとめた。これまでに、学会等での講演やカウンセリング講座の講師、短大・専門学校等で精神医学や心理学の講師をつとめる。著書に講談社現代新書『「普通がいい」という病』(2006)があり、2008年10月からダイヤモンド・オンラインにて『「うつ」にまつわる24の誤解』をweb上で連載中。
●小社WEB連載にて、著者インタビュー『“自分”を表現する力 』が読めます。
  Http://www.kenkyusha.co.jp/modules/06_interview_main/index.php?content_id=33
目次
はじめに
 
第1章 日本語と日本人
 「あなた」とYouは同じか
 普遍的人称代名詞を基盤とする社会
 「主語」を使わない日本語
 日本語に「主語」はあるのか
 「主語」のない言語から「主語」の義務化へと変化してきた印欧語
 「主語」を立てる言語・立てない言語の世界観の違い
 日本の「我」の萌芽
 「主語」が作られてきた日本語
 異文化受容の日本的スタイル
 西欧における個人意識の誕生
 Subjectの訳語
 「個人」「社会」という訳語の誕生
 「である」と「する」の狭間で
 
第2章 「世間」と言葉 〜「世間」内言語について〜
 モノローグ的世界
 察する文化
 思想の可能性
 「世間」の特質
 「世間」内での会話
 「世間」内言語
 行動規範としての「世間」の終焉
 
第3章 自他の区別
 0人称の自他
 「経験」からの逃避
 「言葉が通じない」という事態
 「聴く」ということ
 「同じ」を探すか「違う」を探すか
 「大衆」と「神経症性」
 0人称が構成する「世間」の問題点
 
第4章 個人主義と利己主義
 夏目漱石の「私の個人主義」
 「個人主義」とは何か
 「個人主義」の難しさ
 重層的な秩序
 未熟な0人称と超越的0人称
 「自己本位」と「則天去私」
 二種類の「われ」
 フロムの警鐘
 キメラ状の「利個人主義」の出現
 
第5章 日本語で「私」を生きるために
 「主語」を立てると何が起こるか
 一人称を生きる日本人の言葉
 金子光晴
 白洲次郎
 藤田嗣治
 岡本太郎
 石岡瑛子
 中田英寿・イチロー
 村上春樹氏の文体
 「世間」内言語との付き合い方
 フックを出さない聴き方
 「察する」関係からの脱却
 真の対話に向けて
 
おわりに

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