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書籍紹介

比喩と認知 ――心とことばの認知科学
The Poetics of Mind――Figurative Thought, Language, and Understanding

メタファー研究の基本文献とも言うべき研究書の待望の翻訳
著者 レイモンド・W. ギブズ Jr.〔著〕 / 辻 幸夫、井上逸兵〔監訳〕 / 小野 滋、出原健一、八木健太郎〔訳〕
刊行日 2008年6月25日
ISBN 978-4-327-37813-4
Cコード 3080
NDCコード 801
体裁 A5判 上製 546頁
定価 定価6,050円(本体5,500円+税10%)

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内容紹介
心理学・認知言語学において重要な研究テーマの1つである「比喩」について、哲学、心理学、言語学、人類学など諸分野の研究を検討し、文学作品を含む様々な具体例を豊富に挙げながら、どのように人間の認知と関わってくるかを検証した包括的な解説書。メタファー、メトニミー、アイロニー、イディオムのほか、子供のメタファー理解なども取り上げている。著者はメタファーの心理学・認知言語学的研究における現代の第一人者であり、本書はその研究の集大成として、論文などに引用される頻度も高い。
 
<著者紹介>
レイモンド・W. ギブズ Jr. (Raymond W. Gibbs, Jr.)
著名な心理学者。専門は認知心理学、実験心理言語学、認知科学。比喩的言語の使用と理解過程に関する実証的研究成果は各方面から高い評価を受けているが、最近は身体性(身体的経験と言語の意味)についても考察を深めている。現在、カリフォルニア大学(サンタ・クルーズ)心理学教授。
目次
第1章 序と本書の概観
 
第2章 字義的に考える、字義的に話す
 語・概念の字義的特性の定義
 ・語の意味の指示理論
 ・語の意味のチェックリスト理論
 ・語は定義可能か
 ・曖昧性、多義性、語彙的革新
 ・カテゴリー化と語の意味
 文やテクストの字義的意味への到達
 ・伝統的見解
 ・伝統的見解への批判
 ・伝統的見解再考
 ・字義的意味と文章の意味
 ・字義的意味と比喩的言語
 結 論
 
第3章 比喩的言語の理解は特別な過程なのか
 比喩的言語理解についての伝統的な考え方
 心理言語学的研究
 ・間接言語行為
 ・イディオム
 ・スラング
 ・ことわざ
 ・メタファ−
 ・メトニミー
 ・アイロニー
 字義的言語と比喩的言語の処理は同じか
 理解の過程と理解の産物
 結 論
 
第4章 言語と思考におけるメタファー
 言語におけるメタファー
 ・メタファーの遍在
 ・メタファーのコミュニケーション上の諸機能
 ・比喩的言語の社会的な諸機能
 ・メタファーと政治
 日常思考のメタファー構造
 ・字義的表現の体系性
 ・慣用的メタファーの新しい拡張
 ・多義性
 ・心理学的証拠
 ・思考と言語におけるメタファーについてのもう一つの提案
 ・科学におけるメタファー
 ・法律におけるメタファー
 ・芸術におけるメタファー
 ・メタファーと神話
 ・文化におけるメタファー
 結 論
 
第5章 メタファー表現の理解
 アリストテレスのメタファー論
 I. A. リチャーズの貢献
 比較としてのメタファー説
 「メタファーには意味がない」説
 変則性としてのメタファー
 メタファーと言語行為
 ルース・トークとしてのメタファー説
 相互作用説
 心理言語学と相互作用説
 概念構造としてのメタファー
 メタファーと文学
 結 論
 
第6章 熟語性
 熟語性についての伝統的見解
 死喩と慣用的メタファー
 熟語の分析可能性
 熟語の統語的ふるまい
 熟語の語彙的柔軟性
 熟語の意味的生産性
 分析可能性と熟語理解
 熟語句の学習
 熟語的意味のメタファー的動機づけ
 概念と文脈に敏感な熟語解釈
 メタファー的知識と即時的熟語処理
 ことわざの理解
 結 論
 
第7章 メトニミー
 メトニミーとメタファーの区別
 メトニミーと思考
 メトニミー表現の理解
 話しことばのトートロジー
 間接発話行為
 結 論
 
第8章 アイロニー
 思考様式としてのアイロニー
 アイロニーと社会状況
 どのようにアイロニーは理解されるのか
 誇張法と控えめ表現
 撞着語法
 結 論
 
第9章 子どもの詩的な心
 メタファーの理解
 イディオムの理解
 メトニミーの理解
 アイロニーの理解
 結 論
 
第10章 今後の方向性
 言語、思考、身体
 比喩的思考と言語理解
 修辞的表現の相互作用
 おわりに

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