書籍検索

書籍紹介

異文化対話論入門 ――多声性とメディアのコミュニケーション

「対話(ダイアローグ)」で読み解く21世紀の「人・文化・社会」
著者 小坂貴志〔著〕
刊行日 2012年9月21日
ISBN 978-4-327-37733-5
Cコード 1036
NDCコード 380
体裁 A5判 並製 246頁
定価 定価2,420円(本体2,200円+税10%)

ネット書店からのご購入(近刊予約ページにつきましては発売月初旬頃までに表示されます)

*お取り扱いのないネット書店もございます

リアル書店在庫確認

内容紹介
21世紀を読み解くための新しいパラダイム、それが「対話」です。異文化コミュニケーション研究では常識となっている一方、わたしたちにとっては、あまりなじみのないこの「対話論」を、身近な話題を通してわかりやすくご紹介することはできないだろうか――そのような問題意識のもと、ごく身近な国内の事件や社会問題を、対話を通じて考察することで、異文化対話の基本的な考え方をわかりやすく紹介することをめざしました。ミハイル・バフチンの対話理論、ウォルター・オングのメディア論、L. S. ヴィゴツキーの内言論など、対話論の基礎となる理論をはじめ、フレイレの対話型教育や、ボームの対話手法など、基本的な研究を多数紹介しています。
 
<著者紹介>
小坂貴志(こさか・たかし)
神田外語大学外国語学部英米語学科准教授。青山学院大学文学部英米文学科卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社入社。デンバー大学スピーチ・コミュニケーション研究科修士課程修了、人間コミュニケーション研究科博士課程単位取得終了満期退学。Prudential Intercultural Relocation Services(Intercultural Business Consultant)、J.D. Edwards World Source Company(Technical Translator)、Monterey Institute of International Studies, Graduate School of Translation and Interpretation(Assistant Professor)、立教大学経営学部准教授などを経て、現在に至る。主な著書に、『異文化コミュニケーションのA to Z』(研究社)がある。
目次
序章 対話論とは
1.本書における異文化対話の定義/2.多言語における対話の意味/3.対話の主要概念/4.政治外交における対話/5.異文化コミュニケーションのパラダイム・シフト/6.異文化対話の研究設問/7.次章以降の予告/8.まとめ
章末エッセイ 宗教間対話
  
第1部 声
第1章 声による文化の媒介性
1.声との邂逅/2.ヴィゴツキー、オングと声/3.バフチンと声/4.声の媒介性と文化的生成/5.多文化関係論としての多声性/6.結論
章末エッセイ 声
  
第2章 沈黙の対話
1.自省を語る研究者の声/2.沈黙に関する自己省察/3.声の復権と沈黙/4.声の理論/5.沈黙研究の変容/6.沈黙の二重性/7.沈黙のエスノグラフィー/8.多声性と沈黙の考察/9.非言語コミュニケーションと沈黙/10.現代社会を反映する多声性の考察/11.声の理論の展開
章末エッセイ グラウンドゼロ
  
第2部 メディア
第3章 高度対話型社会の功罪――内言と外言のあいまいな境界
1.高度対話型社会とは/2.声の理論としての対話論/3.高度対話型社会の功罪/4.振り込め詐欺を読み解く/5.「自殺」「自殺予告」を読み解く/6.問題化するインターネット、ケータイ自殺/7.秋葉原殺傷事件/8.一人芝居としての劇場型犯罪/9.パフォーマンスとしての予告、実況中継/10.まとめ
章末エッセイ ブルカ
  
第4章 ケータイ小説のメディア論
1.オングの声の文化、文字の文化/2.声の文化の表現スタイル/3.声の文化の価値観/4.声の文化から二次的な声の文化へ――その認識的特徴/5.声の文化への回帰――ケータイ小説/6.記憶に相当するケータイ機能/7.ケータイ小説にみる声の文化への回帰/8.ケータイ小説にみる二次的な声の文化への回帰/9.結論
章末エッセイ IT
  
第3部 人、イデオロギー、文化
第5章 東野圭吾的コミュニケーション論――人と対話
1.東野圭吾の人となり/2.なぜ小説か、なぜミステリーか/3.声と社会文化的アプローチ/4.ミステリー作家と読者との対話/5.声のメディア論/6.東野圭吾とメディア論/7.終わりなき声
章末エッセイ フレイレ
  
第6章 “エコ”のモノローグ言説――イデオロギー対立と対話
1.コミュニケーション学における対話論/2.環境言説――モノローグ的環境言説の形成/3.環境言説の崩壊――モノローグからダイアローグへ/4.エコ言説の関係性/5.エコ言説のさらなるダイアローグ化に向けて
章末エッセイ ボーム
  
第7章 文化庁の説く文化――文化と対話
1.文化庁の説く「文化」プロジェクトのきっかけ/2.文化に関する世論調査/3.文化芸術振興基本法における文化の定義/4.文化庁長官の説く文化とは/5.文化に関する矛盾/6.文化庁長官の「平成の若者への手紙」/7.国際交流における文化の概念/8.新たな文化の定義/9.まとめ
章末エッセイ 外国人の介護福祉士受け入れ
  
第8章 社内英語化――多文化共生と対話
1.組織コミュニケーションにおけるストーリー分析/2.ストーリーと企業戦略/3.社内英語化の機運/4.ストーリーとしての《社内英語化》戦略/5.自叙伝ナラティブ/6.まとめと今後の研究
章末エッセイ 教えない技術
  
巻末エッセイ 差異を教える対話教育
索引

▲ページトップに戻る