 |
|
|
|
 |
『想い出のブックカフェ』――巽孝之書評集成
何の気なしに交わされたカフェでのおしゃべりから、とてつもないアイデアがひらめくことがある
|
 |
巽 孝之 著
|
 |
|
ISBN 978-4-327-37724-3 C0098
定価2,520円(本体2,400円+税)
四六判 並製 388頁
刊行年 2009年1月
|
|
 |

世に書評集成本はあふれている。とくにベテラン評論家の手になるものは、それ自体が歴史的証言になるために、一定の分量がたまるごとに刊行される。 だが、本を読むいちばんの楽しみは、お気に入りの一冊について気心の知れた仲間たちと語り合うこと、その談論風発を通じて、ひとりでは得られない「読むことのヒント」を掴んでいくことだろう。必ずしもその舞台が生真面目な大学の教室であったり、精読や翻訳を目的とした研究会であったり、学術的な編集委員会であったりする必要はない。
何の気なしに交わされたカフェでのおしゃべりから、とてつもないアイデアがひらめくこともある。かつてスタンリー・フィッシュは文学批評の基盤に「解釈共同体」をふまえたが、アカデミックならぬ最もカジュアルな会話のう
ちから、最も創造的なインスピレーションが降ってくることは、決して稀ではない。
本書は英米を中心にした文学批評家として、また読売、毎日、朝日など各主要メディアの新聞書評委員として四半世紀以上の経験を積む第一線のアメリカ文学者が、最新の小説を語る文芸時評から専門の学術書をめぐる批評まで、ひいては書評家生命を賭けた文学賞審議まで、これまでの書評の仕事を網羅し、アカデミズムとジャーナリズムの境界線を難なく横断しながら、苦しくも楽しい書評の方法論を構築し伝授する、文字どおりの「書評家の仕事」である。
著者紹介:巽孝之(たつみ・たかゆき)
1955年東京生まれ。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D., 1987年)。現
在、慶應義塾大学文学部教授。アメリカ文学専攻。著書に『サイバーパンク・
アメリカ』(勁草書房、1988年)、『メタフィクションの謀略』(筑摩書房、
1993年)、『ニュー・アメリカニズム――米文学思想史の物語学』(青土社、
1995年)、『アメリカン・ソドム』(研究社、2001年)、編著に『物語のゆらめき』(南雲堂、1998年)など多数。編訳書に
ラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』(筑摩書房、1995年)、共著に
Storming the Reality Studio (Duke UP, 1991), In Memoriam to
Postmodernism(SDSUP, 1995), Transactions, Transgressions,
Transformations (Berghahn,2000) ほか。

プロローグ――想い出のブックカフェ
第I部 ブック・クラブ文学の愛と死
第II部 新聞書評の方法│書評委員の仕事
読売新聞読書委員時代の全書評(1997−1999年度)
毎日新聞「読書日記」(2004年度)
『すばる』読書日録(2004年)
共同通信文芸時評「読む旅に語りたい」
朝日新聞書評委員時代の全書評(2005−2007年度)
第III部 学術書評の方法│批評的研究の仕事
現在批評のカリキュラム増補版(2003−2004)
学会誌掲載評(2005−2007)
第IV部 お茶の時間│または読書の達人たち
新書とは何か――教養主義から多様化の時代へ ×沼野充義
師弟とは何か――『先生とわたし』刊行記念」 ×四方田犬彦
綺想の狂宴――天から詩神が降ってくる ×高山宏
第V部 読書共同体の決戦――ティプトリー賞戦記
エピローグ――想い出のライブラリー
索引