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書籍紹介

英語学モノグラフシリーズ12〈全21巻〉
束縛と削除

著者 有元將剛、村杉恵子〔著〕
刊行日 2005年4月20日
ISBN 978-4-327-25712-5
Cコード 3380
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 262頁
定価 定価3,300円(本体3,000円+税10%)

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内容紹介
 言語には、同一の表現を繰り返し使用するのではなく、それに代わる代用表現を用いるという一種の省エネルギーの装置が備わっている(代用表現が無形である場合が削除である)。先行詞とその代用表現の間に成り立つ関係を照応と呼び、有形の代用表現の照応関係が成り立つための条件は何かという問いに答えるために提案されたのが束縛理論である。
 第I部では、束縛理論に基づき照応関係を分析する。第II部では、削除(省略)の統語的特徴を探り、日本語の削除現象も取り上げる。
目次
<第I部 束  縛>
 
第1章 照応現象
 1.1 照応とは
 1.2 照応のいろいろ
 1.3 深層照応と表層照応
 1.4 代用形と先 行詞の関係(c統御)
 1.5 束縛
 
第2章 照応の特性と理論的意義
 2.1 束縛理論成立までの研究史
 2.2 束縛原理
 2.3 束縛原理の適用レベル
 2.4  照応形と代名詞
 2.5 束縛理論と先行条件
 2.6 束縛原理Cについて
 2.7 束縛原理 の生得性
 
第3章 束縛理論とPRO
 3.1 PROとそれが生起する位置
 3.2 PROと格
 3.3 PROのコントロール
 3.4 PROと 痕跡
 3.5 pro
 
第4章 その他の照応
 4.1 束縛代名詞,交差現象
 4.2 絵画名詞句内の照応形,発話主体指向性,長距離照 応形
 4.3 one照応
 4.4 動詞句照応(do so, do it, イギリス英語のdo)
 4.5 文 の照応(itとso)
 
<第II部 削  除>
 
はじめに:削除に関する3つの不思議
 
第5章 削除現象の一般的性質
 5.1 表層照応と深層照応
 5.2 ゆるやかな同一性(スロッピー解釈)
 5.3 空所化 と削除
 
第6章 削除現象の統語分析
 6.1 削除現象の問題点
 6.2 1980年代におけるX'理論の展開
 6.3 Lobeck (1990)  とSaito and Murasugi (1990) の削除に関する一般化
 6.4 削除に関する一般化から 導きだされる理論的帰結
 6.5 削除と移動のパラレリズム
 
第7章 日本語における削除現象
 7.1 VP削除の欠如をめぐるKuno (1978) の議論
 7.2 代名詞「の」とNP 削除
 7.3  DP内移動と属格
 7.4 動詞移動とVP削除
 7.5 wh移動とIP削除
 7.6 削除現象と日 本語研究
 
第8章 削除現象分析の諸問題
 8.1 削除はLFの問題なのか:LFコピー分析
 8.2 PF削除分析
 8.3 下接の条件と削 除
 
第9章 日本語のVP削除をめぐって
 9.1 削除分析に対する反論
 9.2 項削除の 仮説
 9.3 日本語削除現象分析の今後の課題
 結論に代えて

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