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書籍紹介

講座 認知言語学のフロンティア1〈全6巻〉
音韻・形態のメカニズム ――認知音韻・形態論のアプローチ

著者 山梨正明〔編〕 / 上原 聡、熊代文子〔著〕
刊行日 2007年11月22日
ISBN 978-4-327-23701-1
Cコード 3380
NDCコード 801
体裁 A5判 並製 270頁
定価 定価3,080円(本体2,800円+税10%)

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内容紹介
 本巻では、日常言語の音韻・形態のメカニズムを、認知音韻・形態論の観点から考察していく。ことばの使用頻度、慣用性の度合い、等の経験的な要因に基づき、言語運用を反映することばの実在性の側面や表層形の動的なネットワークに見られる分布関係を明らかにし、音韻・形態現象の体系的な記述、説明を試みる。音韻構造、韻律構造、音素配列パターン、交替現象、音韻・形態ネットワークモデル、語形成、等の問題を取り上げ、この領域における最新の知見と研究動向を盛り込むことにより、音韻・形態研究の新たな方向を探求していく。
 
<編者紹介>
山梨正明(やまなし・まさあき)
ミシガン大学大学院博士課程修了、Ph.D.(言語学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科(言語科学講座)教授。著書:『発話行為』(大修館書店、1986)、『比喩と理解』(東京大学出版会、1988)、『推論と照応』(くろしお出版、1992)、『認知文法論』(ひつじ書房、1995)、『認知言語学原理』(くろしお出版、2000) 、『ことばの認知空間』(開拓社、2004) ほか。
 
<著者紹介>
上原 聡(うえはら・さとし)
ミシガン大学言語学科博士課程修了、Ph.D.(言語学)。現在、東北大学大学院国際文化研究科教授。著書:Syntactic Categories in Japanese: A Cognitive and Typological Introduction(くろしお出版、1998)。論文:“Toward a Typology of Linguistic Subjectivity: A Cognitive and Cross-linguistic Approach to Grammaticalized Deixis”(Subjectification: Various Paths to Subjectivity, Mouton de Gruyter, 2006)ほか。
 
熊代文子(くましろ・ふみこ)
カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院言語学研究科博士課程修了、Ph.D.(言語学)。現在、慶應義塾大学非常勤講師。著書:『認知音韻・形態論』(共著、大修館書店、2003).論文:"Cognitive Phonology: A Usage-Based Model of Phonological Organization" (『音韻研究』7, 2004)ほか。
目次
第1章 認知音韻論
 1.1 認知文法と音韻論
 1.2 概念的統合化と非還元主義
 1.3 カテゴリーとネットワーク
 1.4 下位レベルスキーマの重要性と適格性の原則
 1.5 音素配列規則
 1.6 音素と音韻素性
 
第2章 音韻論へのネットワーク的アプローチ
 2.1 音節尾子音条件の認知文法による表記
 2.2 動詞活用変化
 2.3 有声阻害音の声
 
第3章 音韻論への非還元主義的アプローチ
 3.1 ドイツ語FDの事実認識に関する齟齬
 3.2 WFDとSFD
 3.3 初頭の法則
 3.4 方言差がない場合−−語彙間関係
 3.5 方言間の相違がある場合−−認知的際だち度の差異
 
第4章 認知語形成論
 4.1 認知言語学における語彙の位置づけ
 4.2 語彙レベルのカテゴリー化としての品詞分類
 4.3 品詞分類の普遍性から個別言語性へ
 4.4 品詞分類におけるスキーマとネットワーク
 
第5章 認知形態論
 5.1 語根から接辞へ:文法化と意味・形態の変化
 5.2 形態素の形式−−その規則性と頻度
 5.3 形態素の順序
 5.4 動機づけと形態素の歴史的変化
 
第6章 総括と展望
 6.1 本論考の総括
 6.2 認知言語学の課題と展望
 6.3 おわりに

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